プチコラム20 身体のリズムと木のリズム
木が発する心地よいリズムを感じて暮らす
建築設計にぜひ取り入れてほしいことがあります。
「1/fゆらぎ」という言葉、どこかで聞いたことはありませんか?
たとえば電車の揺れるリズム、自然の風のリズム、小川のせせらぎや小鳥のさえずりにこの1/fゆらぎというリズムが隠れています。
電車で眠くなるのはこのリズムのためであったり、最近では1/fゆらぎの扇風機といった製品も登場していますが、要は人間が心地良いと感じる「自然のリズム」です。
それは一定ではない自然のリズムで、人間の生体リズムとリンクするのだそうです。
実は、木材にも1/fゆらぎがあります。年輪や木目といった視覚的なものからもリズムが生まれているのです。
林野庁の発表では、木の空間にしたら子どもの成績が上がった、睡眠が深くなる、シニアの転倒事故の割合が減るなどの効果がみられるそうです。
ゆらぎは目には当然見えませんし、薬のような即効性があるわけでもないですが、確かに人間の根幹を整えてくれる、源をケアしてくれるものです。
これは西洋医学の局所療法的な薬の考え方ではなく、東洋医学の漢方的な自然治癒力を高める効果に近いものといえるでしょう。
そんな空間に毎日毎日毎日暮らしていたら。毎日が森林浴のような自然界のリズムの中で生活できたら……。
1年、10年、50年……一生涯に得られる効果は計り知れません。これからあらゆることを吸収していく小さなお子さんならなおさらです。