プチコラム10 新潟でつくる、自分のための家
新潟でつくる、自分の家の正解を
先人の知恵、先人たちの育んできた日本家屋はよく考えられていました。
その場所を照らす日差し。
時間によって形を変える日陰。
春夏秋冬ごとの風の流れ。
そして、家の外と内をゆるやかにつないでいく「間」という考え方が日本住宅の根源です。
冬は暖かい日差しを呼び込み、夏は強い日差しを遮り、窓を開ければ家全体に風が流れ、障子を開ければ絵画のように草木が映る。
さらにここ新潟のような雪国であれば、そこは風除室になりいきなり外ではない干渉空間を担ってきました。そうやって自然と共生し、自然を利用し、理論や理屈ではなく「そこに住む自分たちにとって快適な」住環境を創ってきました。
以前ある設計コンペで「十二ひとえの家」という家屋を設計し、最優秀賞をいただきました。
家を日本古来の女性の装束に見立て、“寒ければ着て、暑ければ脱げる”ように設計しました。玄関扉をはじめ、障子やふすまや引き戸を何枚も何枚も設置して、冬は全部閉めて部屋の真ん中で寝て、夏は全部開け放って別荘のような空間が広がる家。
なぜ高い評価を頂けたか。
客観的な指標である数値も大事ですが、それ以上に大事なのは「実際の体感」という事です。
そこに住むのは、その数値を頼りにしたどこかの誰かではなく、自分なのですから。
それが家づくりの原点であり、唯一の正解だと思います。