プチコラム07 適合素材(家づくり編)
地方の工務店さんをあちこち回っていて特に印象に残る事があります。
地方の工務店の社長は元・大工の方がすごく多くて、昔ながらの大工さんなので”木を見れる”し、材料1本1本の曲がり具合や繊維の目なんかを吟味して使う方向や加工の仕方を変えたりと、現代の木造建築が失いかけている素晴らしい技術を持ってらっしゃるのですが、例えば壁の中に隠れてしまう柱なんかにも「美しさ」を求めたりしている事に私は疑問を持っていました。
例えば、壁の中に隠れる柱にとって1番大切な事は何か。
それは美しさとかうんぬんではなくて「強度」です。
それが見える柱であれば「強度+美しさ」
茶室などの飾り柱であれば「美しさ」
という事になります。
「適材適所」という事ですね。
その他にも、鉛直荷重に強い=柱に向いている材料や、たわみに強い=梁に向いている材料、堅く加工には向かない材料、柔らかく加工に向いている材料 、
木材以外にも、湿気に強い、火に強い、揺れに強い、風に強い、軽い、重い、、、など家一軒を構成する材料は多岐に渡ります。
できる限り一つ一つ丁寧に「適材」と「適所」を考えてあげれば、「無駄」がなくなり、結果「コスト」や「建物の強度」「建物の寿命」という皆さんの暮らしの安心や安全、金銭的負担の軽減として跳ね返ってきます。