プチコラム03 家の「数字」

プチコラム03 家の「数字」

家づくりを意識し始めると、さまざまな場面であらゆる「数字」に出くわします。土地や建築にかかる費用はもちろん、ランニングコストや住宅の性能を数値化したものなど……。具体的なその「数字」は、平均点以上の暮らしやすさを保障するものに違いありません。

しかし、本当に「数字」だけで家を建ててしまってもよいのでしょうか? 

「数字」にとらわれすぎる日本人

日本人は世界的にみるとびっくりするほど「数字」を疑わないのだそうです。

例えば偏差値など、「数字」は優劣をはっきり表すものとして認識されています。自分がたとえ腑に落ちなくても、「数字」は「正しい」、自分が間違っている…と思い込んでしまいがちではありませんか?

国際設計競技などに参加するとそれが顕著にわかります。

私たち日本人は一生懸命、「理論」立てて丁寧にプレゼンしようとする傾向が強いです。外堀から埋めるというか、否定されてもいないのに否定された場合の言い訳をあらかじめ先に打っておくような…。ひと言でいうとまわりくどいのです。

逆に、欧米各国のプレゼンテーションは「情熱」にあふれたものです。「理由」や「理屈」は優先順位が低いといいますか、エキサイティング!とかワンダフル!というフレーズがとにかく数多く飛び出します。否定的意見なんて気にも留めず「この案にはそんなデメリットなんかよりも多くのメリットがあるんだ!!」という感じです。

何を優先させるのかという長所進展というか、逆に利にかなっているように感じました。

ある調査では、理論よりも情熱で造っているように見える欧米の建物の平均寿命は、アメリカで100年強、イギリスにいたっては140年を超えます。一方、数字を重んじ、完璧と思われる理論で世界一勤勉に造っているはずの日本は30年にも満たず、世界最低レベル…。

これが数字の先の事実です。

家づくりを考えはじめると、誰しもが悩み迷うと思います。そして悩んでいる方の多くは日本人特有の「普通は」や「みんなこうしています」といった平均数値ロジックにハマっている場合が多いです。しかし、一度目の前の「数字」を疑ってみてください。

今見ている、あるいは自分を納得させようとしているその数字や情報は、本当に正解でしょうか?

学術的には正解だとしても、それは自分にとって正解でしょうか?

迷ったら何でもざっくばらんに私たちに聞いてください。

私たちは皆さんにとって、家づくりのパートナーなのですから。

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